
境順子さん
自己紹介と現在の事業内容
大阪を拠点に「安心・安全・快適な産業ガス」を軸に、関西の製造業や食品分野などにガスソリューションを届けている会社です。高圧ガスの製造・販売に加えて、機械や業務用ロボットの提案、現場環境の改善サポート、コロナ以降はガスで食品保存を延長するオープンラボなど、高圧ガスの民主化に力を入れています。2007年に2代目として会社を継ぎました。男性中心の高圧ガス業界に飛び込んで18年、自社や業界、そして母としての役割を統合しつつ奮闘中です。
EO Beyond Japanに入会したきっかけ・入会前のイメージ
EO自体は知っていましたが、尖ったベンチャーの集まりというイメージで選択肢から外していました。経営者としてはずっと学び続けてきましたが、子供ができてからは経営者コミュニティへの参加が難しいと考えていました。EOBJは男女50対50のコンセプトで、経済の上位概念を変えていこうとしていることに強く惹かれ、ジャックさんの紹介で説明会に参加し、弥奈子さんがビヨンドに対する思いを語ってくれたことに対して、コンセプトのみを口頭で聞いて大きな先入観なく入会を決めました。立ち上げ段階から参画できることが大きなメリットだと感じています。
半年間活動してみて感じた一番大きな変化や実感
リトリートやフォーラムで経験できた包括性に大きな学びを得ており、異性の経営者とフラットに学び合える刺激的な場だと感じています。家族も含めて参加できるという点にも新しさと楽しさを感じています。フォーラムにおいても、自己開示を積極的にしながら進めていることに共感しました。男女がフラットな姿勢で学び合える場が斬新です。初めてリトリートに参加した場で経営者としてのプレゼンの場を引き受けたら、家族がプレゼンしてもOKとのことだったので、子供と共にプレゼンしました。(インタビュアー注:リトリートではこれが大いなる驚きと感動と共感をもたらしました)半年学んでこの場をもらえたことに感謝しています。楽しませてもらっています。
参加前と比べて、自分や会社の意思決定に影響したこと
参加前は、日々ゆとりがない現状で平日に学びの出張を優先できるか不安を感じていました。何か結果を持ち帰れるかプレッシャーでしたが、自組織とは構造もカルチャーも違う企業を知り、その経営者の多様な考えを知れることは、自社にいては学べない大きな気づきがあり、何より意思決定において自身の視点の広がりや、挑戦への勇気となっていることはありがたい場だと実感しています。EOBJのガバナンス理事から、役割は「カルチャーキーパー」という考え方の紹介があり、管理型になりがちなルールに対して、自社に持ち帰って捉え直すきっかけとなりました。今までにない切り口で自社の役割を捉え直したり、これまでにない挑戦の計画が立ち上がりました。フォーラムごとに振り返りを習慣化していますが、等身大の自分と向き合うための大切な時間となっています。
フォーラムで印象に残っているTAV(体験の共有)とその理由
その人の課題はその人が解決する話であるという前提でフォーラムが運営されるため、その考え方の軸を学んでいます。ライブの対話の中から、自分に持ち帰って自省するという感覚です。自分の中で完結させている自分の思考の癖にも気づくことができました。EOBJの男女50対50のメンバー構成によって、男性社会の中の自分という決めつけがなく、さらに一人一人にフォーカスして言語化しているEOBJでは、群でなく個で捉えて総論でなく個別で議論をするので、自分のアンコンシャスバイアスに気づきやすくなりました。フォーラムでは、話したいことを話す女性脳と、落とし所から話す男性脳的な話し方など、多様な観点や自由な話題から、違和感や居心地といった感覚が混ざり合っています。混沌とした空間では男女でなく、個別の嗜好性や志向性がよく見えると感じます。ザッピング的な会話からAIをアブダクション的に使うというトライをしていますが、多様な情報は今の私では受け取れないこともありますが、AI時代には、EOBJのような場での学びがさらに貴重な気づきとなる可能性を感じています。
「変わりたい」ではなく「変えてきた」経験を一つ教えてください
先入観に囚われないように努めてきました。会社の社長として、一つの業界に長くいるので、「分かったつもりにならないよう」常に新しい場や新しい出会いの中で、新しい自身と環境であるよう変化にはこだわってきました。「捉え直し」は簡単でないこともありますが、今の私にとってEOBJは自然に捉え直しが起こる場です。
フォーラムやイベントで得た気づきを実行に移したエピソード
必ず1つはやると決めています。サツドラの話「北海道を良くする」から「コミュニティをまとめていく」という流れは反論も出にくく、上手く進められます。何を目的としてこのチームはうまくやれるのか、という根幹のところに気づけました。このような本質的な会話を組織内ではもっとしなければならないのだということに気づきました。本質までたどり着いている先輩経営者たちの話が、自分の中ではまだたどり着いていない視座や示唆を先に吸収することにつながっています。自社でもコミュニティの要素を取り入れた挑戦を始めています。
活動を通して見えてきた、自分自身の課題や強み
学びを実行へと変えるスピード感が現時点の課題です。誰とどこまで行くか、フォーラムでの丁寧な振り返りなどを通じて意思を明確にしていきたいです。感情起点で整理していくので、痛みや心情が伝わりやすいです。それが場のみんなに面白い切り口や議論を提供することにつながりやすいです。伝えることを通じて自分自身の解像度を上げていくことができることも強みです。
これからEO Beyond Japanで挑戦したいこと・実現したいこと
リトリートが楽しみです。自分の体験や子供たちのチャレンジを通じて皆さんの経験価値につながったことを実感しました。他社や第三者からの紹介は新しい発見があるので、機会があれば薦めていきたいです。EOBJで学びや気づきを深めていくこと、自社や業界での新しい挑戦に活かしていくことです。
これから入会を検討している人へのメッセージ
EOBJは「学びの場」よりも、「学びながらアウトプットを出す場」だと捉えています。学んだだけでなく、同時並行でアウトプットを出す場なので鍛えられます。自身のアウトプットを聞いてもらえたり、フィードバックしてくれる喜びもあります。挑戦したい人には最適な場であると伝えたいです。