
渡部由紀子さん
自己紹介と現在の事業内容
留学以外の目的で日本に来た方々向けの日本語学校を経営しています。2000年に事業をスタートし、2015年に法人化しました。お客様はほとんどが欧米の方々で、日本に住んでいる方々が対象です。
EO Beyond Japanに入会したきっかけ・入会前のイメージ
セントラルに入って丸3年が経ったところで、フォーラムは女性が1人で、活動も男性中心でヒエラルキーが強いと感じていました。これは人数の割合で仕方ないとも思います。私は海外で日本語を教えていたり、リクルートで3年間勤務した後に起業したりしていたので、日本社会のヒエラルキーを強く感じたことがありませんでした。そのため、EOでの経験は「社会科見学」のように感じていました。そんな中で、たまたま強烈な違和感を感じるイベントに参加し、その席で隣に座った美穂さんからEOBJのことを聞いて、自分が安心して参加できる環境を持てるのではないかと感じ、EOBJへの移籍を決めました。
半年間活動してみて感じた一番大きな変化や実感
EOBJは気を遣わずに本音で話せて議論ができる場所で、安心感がすごくあります。男女は同じではないですが、それは優劣ではないと思っています。事業規模が大きいことが全てとも思っていません。女性が得意な経営や成長の仕方があると思うのですが、考え方が違うと甘いと思われたり、他の男性経営者から怒られるような感覚がありました。実際に勉強会の講師から女性はレベルが低いと言われたこともあります。拡張・拡大させていく真っ直ぐな男性的なエネルギーは素晴らしいですし、尊敬もしています。しかし、経営はもちろん大切なスキルベースや基本的な考え方はありますが、生き方と同じくらい色々な形があっていいと思っています。EOBJでも様々な考え方を持つ人がいますが、何よりそんな思いを当たり前に発信でき、本質的な議論ができるところが気に入っています。
参加前と比べて、自分や会社の意思決定に影響したこと
今は、自分らしくいられることで、自分に貢献できることを発揮したいという積極性が生まれたと思います。それを自分の会社でも大切だと思うようになり、「これが正しい」と決めつけずに相手の話をオープンに聞くことで、才能を引き出せるようにしようとしています。黙っているよりも積極的に話してほしいと思えるようになりました。色々な人生や色々な経営の形に触れられ、この経営は良いとか悪いとかではない、自分らしい経営の形を学ぶことができる、その面白さが好きです。EOBJには単純に白黒をジャッジするような人がいません。「こうじゃなくちゃいけない」という固定観念から解放され、自由に経営を考えられる場をBJが提供したいという思いがあります。経営は人生の自己表現であり、安心して議論できる場所を求めている人に届けたいと考えています。
フォーラムで印象に残っているTAV(体験の共有)とその理由
「場に対する責任感」の持ち方がTAVになりました。フォーラムやイベントでは、場に対する責任感を強く持つ人が多く、空気を読んで貢献しようとする傾向があります。そんな中でどれくらいオープンでいられるか、ということです。責任感が強い人であればあるほど、なかなかオープンではいられないのではないでしょうか。場の空気を作るパワーを持っている人がいて、全員が楽しめるか、困っている人がいないかなどを意識している様子があります。その配慮も大切ですが、一方でそれらがなくても本音で話せる関係性が理想の形ではないでしょうか。以前は男性だけの場には女性が邪魔(というか関心がない)と思う場もありましたが、EOBJではこれまで経験してこなかった経営について自分について深く話せる場をすでに多数経験しました。自分にとって居心地の良い場を勝ち取っていくことの重要性に改めて気づきました。
「変わりたい」ではなく「変えてきた」経験を一つ教えてください
声を出せる環境、声を聞く姿勢、メッセージを出しています。私の会社には成長スピードが速いと感じる人が比較的多い環境でした。しかし、成長する一方で聞くことができない声も増えてきます。できる人だけでやろうという時期を抜けて成長すると、多様な人を上手く使う環境が重要になってきます。色々な人の多面的な観点をもとにお互い補い合って経営すべきなので、自分自身のマインドセットを変えてきた、という思いがあります。自分自身も成長主義でしたが、人の話を最後まで聞くことにフォーカスしています。最終的には私が意思決定をするのですが、色々な声を聞くようにしています。個人の生活でも、急成長したい人も、日々を楽しみながら成長する人もいますが、それらを積極的に取り入れるようなコミュニケーションにしていくようにしています。
フォーラムやイベントで得た気づきを実行に移したエピソード
自己開示ができるようになって上手く行き始めるようになりました。以前は誰にも話していないことがたくさんありすぎて、涙ながらにフォーラムで話すことも多々ありました。自分の会社内ではまだそこまでの自己開示はできていませんが、フォーラムで話し方が分かってきた/言語化が上手くなったため、実生活でも言語化できるようになって話してもらいやすい環境を作っています。感じていることを言語化できること、自分の中の課題を言葉にできるようになったことが、人と働く際にとても役立っています。表面的なスピーチが上手いということではなく、モヤモヤしていることを感情的ではなく観察してフラットに言語化することが得意になりました。
活動を通して見えてきた、自分自身の課題や強み
これまでは、リーダーシップを取らないメリット(受け身な状態)を享受していましたが、理事になって意識的にシフトチェンジしていこうと認識しています。そうした役割が久しぶりなので、みんなでやる面白さを感じています。自分で取り組む際には独走してきましたが、今は意思決定だけでなく多面的な視点を養うことができます。自分自身も多くの人に勇気を与えられます。理事としてチャプター運営に携わることで、改めて新入社員から見た経営、自分自身もそう見られているんだろうな、ということに気づきました。この視点を体感できることも、活動から得られる大きな学びだと捉えています。
これからEO Beyond Japanで挑戦したいこと・実現したいこと
同じ思いを持つ経営者をEOBJの船に乗せていきたいです。長い人生の中で3分の1を自分の会社に投じてくれる人に対して貢献し、一緒にビジネスできるようにしたいと自分の会社でも考えています。みんなの夢を力に変えていくことができるようにしていきたいです。力の時代が変わり始めて、繋がりや多様化、価値観の近い人たちが集まっていく環境へとなっていくと思います。「こうでなければならない」というアンコンシャスバイアスを持ち、苦しさを感じている経営者の方とEOBJで深く話をしてみたいと思います。色々な経営があっていい、その中で自分たちはこんな経営がしたい、ということを安心して議論できる場を提供したいです。
これから入会を検討している人へのメッセージ
「自分らしい経営」は自己満足だと言われますが、違うと思っています。「自分らしい成長」を見つけたい経営者にとっては、EOBJは心理的安全性が確保された、安心できてフラットな場だと思います。現在のコミュニティでヒエラルキーを感じて本音で話せていなかったり、自分の経営や思いを話せる・自省できる時間を確保しながら多面的に学びたい経営者は、EOBJに入ってみてほしいです。